日時:2010年11月3~5日
場所:スイス・ジュネーブ
担当:森川美和
タイトル:To disseminate accessibility in the field of everyday products to the world
(日常生活製品におけるアクセシビリティの世界への普及)
WSCが、国際規格をリードする団体である
the International Organization for Standardization(ISO),
the International Electrotechnical Commission(IEC),
the International Telecommunication(ITU)
の三つの団体と共に、「アクセシビリティ」に関する世界各国の近年の状況や
課題について議論を行うワークショップを開催し、その中で、
共用品推進機構の取り組みを紹介しました。
世界標準協力(WSC:World Standards Cooperation)
国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、国際電気通信連合(ITU)の
世界の主要標準化3機関によるトップレベルの協力会議。
メンバーは、各機関の会長、副会長、事務局長らで構成する。
World Standards Day(WSD)は毎年各国でイベントが開かれていますが、
ワークショップ型は本年が初めての取り組みでした。
3つのグループに分かれプレゼンテーションや議論を行うスタイルで、
各グループのテーマは「日常生活用品」、「建物、施設」、「情報機器、環境」でした。
共用品推進機構は日本女子大学教授でISO/TC159(人間工学)の議長の
佐川賢氏がモデレータを務める「日常生活用品」でプレゼンテーションを行いました。
これまで連携してきた海外の障害者団体の方のプレゼンテーションもあり、
世界の団体の取り組みも理解することができました。
またそれと同時に、障害者団体だけでなく、規格作成団体や教育機関に従事する人たちにも、共用品推進機構の取り組みについても関心を持ってもらうことができました。
発表の後に参加国の方から、「なぜ強制ではないのに日本の企業はアクセシビリティに配慮するのか」という質問がありました。
“強制ではないが取り組む”。共用品推進機構の前身団体であるE&Cプロジェクトの時代から、それは当たり前のことでした。
“困っている人がいる。それなら解決しよう。解決策はこうだ!”理由などない。強制されなくてもできることは進んでやろう。
それが日本のバリアフリーやアクセシビリティを飛躍的に発展させた個々人が持っている力だと思います。
もちろん、法律が整備されて発展したものもありますし、残念ながら決まりを作らなければ進まないこともあります。
でも縛られなくても進んで取り組むことができる、それが世界では類をみない日本の底力ではないかと思います。
そのことを世界の舞台でアピールでき、賛同してくれる参加者がいたことは、とても嬉しく、また大きな成果だったと思います。