アイ棒

北田 佳琳(きただ かりん) さん
(東京都立久我山青光学園 視覚障害部門 中学2年生)

 中途視覚障害者は、AIと会話することで、トイレの個室に入ったが、流す場所がわからないときなど、AIが目となって説明してくれます。もちろん、どこへ行きたいと言えばインフォメーションしてくれますし、危険を察知して、しゃがんで、止まって、と指示してくれます。まさに相棒となって、おしゃべりも楽しめます。
 知的障害をともなう視覚障害児・者は、よく使う言葉や簡単な指示(とまれ)などを学ばせて、会話ができるようにします。「おなかがすいた」「痛い」なども不明瞭な発音であっても聞き取れるようにAIに学ばせ、それをAIが正確に周囲に発せるようにすることで、近しい人以外にも意思疎通ができるようにします。学校や職場、家庭と共有することで語彙もひろがり、障害児・者のストレスの軽減が期待されるほか、災害時など緊急事態にも役に立ちます。AIはバックアップもでき、万が一なくしたり、壊したりしても復旧が容易です。
 特筆すべきは、盲ろう児・者にも使えることです。振動を与えて(イメージは無線信号)、言葉の意味を振動で知らせます。たとえば、手首に巻いて「bu,bu,bu」、「bu-,bu,bu,bu」など振動の種類で意味を読み取れるようにします。知的障害を併せ持つ児・者であっても、振動のリズムを、作った側に合わせるのではなく、生活の中で学んだことを覚えさせることで使用が可能になります。しかも、その振動をAIが言葉にして周囲に知らせることができるので、特定の人しか理解できなかったサインによるコミュニケーションが、誰でも分かるようになり、盲ろう児・者に伝えることができます。また、手首などにAIを撒いておけば、本人が、手やひざをサインのリズムをたたくことで、AIが言葉にしてくれるため、盲ろう児・者からの呼びかけが可能になります。災害時等はもちろんですが、家庭や先生以外の人とのコミュニケーションが拡がり、盲ろう児・者の世界がひろがります。
 まさにEYE棒であり、相棒であり、愛棒なのです。