デジタルも、リアルも。“本当に使える”を、すべての人へ。 NTTクラルティ株式会社 中川 貴裕 NTTクラルティでは、障がいのある社員の当事者目線を活かし、ウェブサイトから製品・空間づくりまで、“誰もが使いやすい形”を一緒に考える取組みを行っています。 日常の利用シーンで生じる小さな負担や、気づきづらい不便さなど、当事者だからこそ見える“+αの視点”を加えて改善につなげています。 こうした取組みを、私たちは“共用品”として社会に提供しています。 ユニバーサルデザイン・バリアフリー化支援 ユニバーサルデザイン・バリアフリー化支援では、車いす利用者、視覚・聴覚障がい者など、さまざまな障がいのある社員が実際に製品・サービス・空間を体験し、研究開発段階から既存の環境まで、幅広く検証を行っています。 移動のしやすさ、情報の伝わり方、操作の直感性など、実際に使う人の体験に基づいて見えてくるポイントは、仕様書や設計図だけでは読み取れない部分があります。そこで、私たちは当事者だからこそ気づく+αの視点を大切に、改善につながる具体的な提案を行っています。 例えば、大阪で行われた国際イベントでは、字幕・音声案内・導線の見直し、視覚障がい者向けコードの付加、さらにスタッフ向けの接遇方法の提案など、ハード・ソフト両面での改善に貢献しました。その他にも、手話映像の収録協力や、100名規模の聴覚障がい者へのアンケート支援など、技術開発・研究に必要なデータ収集も当事者と共に実施しています。 こうした取組みは、技術やサービスを誰もが安心して利用できる“共用品”へと高めるための支援として考えています。 ウェブアクセシビリティ診断・研修 ウェブアクセシビリティの取組みでは、WCAGやJIS X 8341-3といったガイドラインに沿った診断を基盤としています。そのうえで、スクリーンリーダー(画面に表示れている情報を音声で読み上げるソフト・アプリ)などの支援技術を日常的に使用している視覚障がいのある社員が実際に操作し、ウェブサイトの「使える」・「使えない」を確かめます。 ガイドラインの達成基準はとても重要な指標ですが、当事者が使うとガイドラインに沿ったチェックだけでは把握できない“気づきにくい負担”や“操作のちょっとした迷い”といった細やかな問題が見つかることがあります。そこで、私たちはガイドラインをベースに、当事者ならではの+αの視点も加え、改善のための具体的なヒントをフィードバックしています。また、当事者が講師を務めるウェブアクセシビリティ研修では、スクリーンリーダーでのウェブサイトの読み上げ実演などを通して、「なぜアクセシビリティが必要なのか」をより深く理解するきっかけを提供しています。 こうした取組みは、ウェブサイトをより多くの人が安心して使える“共用品”として成長させる支援と考えています。